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通院精神療法とは? ― 2026年の診療報酬改定と「精神保健指定医」の違いをやさしく解説

通院精神療法とは? ― 2026年の診療報酬改定と「精神保健指定医」の違いをやさしく解説|六本松こころのクリニック
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通院精神療法とは?
2026年の診療報酬改定と
「精神保健指定医」の違い

診療明細にある「通院精神療法」とは、何のことでしょうか。2026年(令和8年度)の診療報酬改定で、この評価が見直されました。あわせて「精神保健指定医」という資格や、多すぎる薬(多剤処方)の適正化についても、精神科専門医がやさしく解説します。

🗣 薬をもらうだけの時間ではない 🎓 精神保健指定医とは 💊 多剤処方の適正化
監修:前田 輝六本松こころのクリニック 院長)/精神保健指定医・日本専門医機構認定 精神科専門医。「今できることをする」「患者さんの生活ごと支える」を大切にしています。
01はじめに

明細の「通院精神療法」って、何だろう?

精神科や心療内科を受診すると、会計の明細に「通院・在宅精神療法」という項目があることに気づく方がいます。「これは何の料金だろう?」と疑問に思ったことはないでしょうか。実はこれは、精神科の診療で行われる大切な関わりを表すものです。

2026年(令和8年度)の診療報酬改定で、この通院精神療法の評価が見直されました。あわせて話題になったのが、「精神保健指定医」という資格の位置づけです。制度の話ではありますが、その中身は「どんな精神科医療が良質とされ、大切にされるのか」という、患者さんにとっても意味のあるものです。この記事では、そのポイントをやさしくお伝えします。

02通院精神療法とは

「薬をもらう時間」ではなく「診て、聴いて、支える時間」

通院精神療法とは、精神科・心療内科の診察のなかで行われる医師による専門的な関わりを評価する、保険診療の項目です。単にお薬を出すだけではありません。症状や生活の状況をていねいに聴き取り、状態を見立て、助言や支持的なやりとりを通じて回復を支える――その一連の関わりに対する評価です。

診察にかけた時間や、初診か再診かによって点数が異なります。保険が適用されるため、患者さんが支払うのは通常その一部(多くの方は3割)です。「たった数分の診察なのに」と感じることがあるかもしれませんが、短い時間の中にも、見立てや判断、言葉の選び方といった専門的な関わりが含まれています。

図1:通院精神療法に含まれるもの
じっくり聴く 症状・生活の状況 見立てる 状態を評価する 助言する 情報提供・見通し 支える 支持的な関わり
お薬の受け渡しだけでなく、「聴き、見立て、支える」という専門的な関わりへの評価です。
032026年の改定

「専門性」と「適正な処方」を評価する方向へ

2026年の改定では、患者さんにとっても意味のある見直しがいくつか行われました。ひとつは、初診でていねいに時間をかけた診察が、より評価されるようになったことです(初診で30分以上60分未満の区分が新設され、60分以上はさらに引き上げ)。はじめての受診でしっかり話を聴くことが、制度としても後押しされました。

もうひとつ大切なのが、多すぎる薬(多剤処方)や、漫然とした処方の適正化です。たとえば抗うつ薬や抗精神病薬を何種類も重ねて出すような場合には、通院精神療法の評価が下がったり、算定できなくなったりする仕組みが設けられました。これは、「むやみに薬を増やさない」ことを制度として後押しするもので、患者さんにとっても安心につながる方向です。さらに、精神保健指定医による診療が、より評価されるようになりました(次の章で説明します)。

図2:2026年改定の3つの方向
初診の丁寧さ 時間をかけた 診察を評価 専門性 精神保健指定医 の診療を評価 適正な処方 多すぎる薬を 見直す方向へ
制度全体が、「経験に裏打ちされた専門的な診療」と「適正な処方」を大切にする方向へ動いています。
04精神保健指定医とは

「精神保健指定医」と、非指定医の違い

精神保健指定医とは、精神保健福祉法にもとづき、厚生労働大臣が指定する医師です。一定以上の臨床経験(精神科での実務経験)を積み、所定の研修を受け、担当した症例の審査を経て、はじめて指定されます。誰でもすぐになれるものではありません。

この資格の大きな特徴は、その役割にあります。精神保健指定医は、本人の同意によらない入院(医療保護入院・措置入院)が必要かどうか、隔離や身体拘束といった行動制限が必要かどうかを判断する権限を持ちます。これらは患者さんの人権に深く関わる重要な判断であり、高い専門性と経験が求められます。一方、この資格を持たない医師を「非指定医」と呼びます。

🤝 誤解しないでください 「非指定医だから劣った医師」という意味では決してありません。非指定医の先生方も、当然ながら医師です。精神保健指定医は、そこに「国が定めた追加の資格と経験の証」が加わったもの、と理解してください。2026年の改定では、この専門性を診療報酬の面でも評価する見直しが行われました。
図3:精神保健指定医と非指定医
精神保健指定医 ・厚生労働大臣が指定 ・一定の臨床経験+研修+症例審査 ・入院や行動制限の要否を判断  する権限をもつ 非指定医 ・医師として診療を行う ・上記の指定資格は持たない ※「劣った医師」という  意味ではありません
精神保健指定医は、経験と研修を重ねたうえで国が指定する資格です。当院の院長は精神保健指定医です。
05当院の考え方

「話を聴き、薬に頼りすぎない」診療を

当院は、院長(前田 輝)が精神保健指定医です。日々の診療では、ていねいに話を聴き、状態を見立て、必要なときに必要なだけお薬を使うことを大切にしています。むやみに薬の種類を増やす「多剤処方」や、見直しのないまま続く「漫然処方」を避ける――2026年の改定が目指す方向と、当院が大切にしてきたことは、同じところを向いています。

明細の点数の話は、難しく感じられるかもしれません。けれど本当に大切なのは、あなたが安心して相談でき、適切な治療を受けられることです。「この薬は必要なのかな」「診察の内容が気になる」といった疑問も、どうぞ遠慮なくお尋ねください。一つひとつ、一緒に確認しながら進めていきます。

?よくあるご質問

通院精神療法と診療報酬についてのQ&A

明細にある「通院精神療法」とは何ですか?
精神科・心療内科の診察で行われる、医師による専門的な関わりを評価する保険診療の項目です。お薬を出すだけでなく、症状や生活を聴き取り、状態を見立て、助言や支持的なやりとりで回復を支える関わりが含まれます。診察時間や初診・再診によって点数が異なり、費用は保険適用(多くの方は3割負担)です。
2026年の診療報酬改定で、何が変わったのですか?
主に、①初診でていねいに時間をかけた診察がより評価されるようになったこと、②精神保健指定医による診療がより評価されるようになったこと、③多すぎる薬(多剤処方)や漫然とした処方を見直す方向が強まったこと、が挙げられます。全体として「専門性」と「適正な処方」を大切にする方向の改定です。
精神保健指定医とは、どんな資格ですか?
精神保健福祉法にもとづき、厚生労働大臣が指定する医師です。一定以上の臨床経験を積み、所定の研修と症例審査を経て指定されます。本人の同意によらない入院や、隔離・身体拘束などの行動制限が必要かどうかを判断する権限を持ち、患者さんの人権に関わる重要な役割を担います。
非指定医は、指定医より「劣った」医師なのですか?
いいえ、そうではありません。非指定医の先生方も医師であり、診療を行います。精神保健指定医は、そこに「国が定めた追加の資格と経験の証」が加わったものと理解してください。2026年の改定では、この専門性を診療報酬の面でも評価する見直しが行われました。
「多剤処方の適正化」で、私の薬は減らされるのですか?
改定の趣旨は「むやみに薬を増やさない」ことであり、必要な薬まで一律に減らすものではありません。今飲んでいるお薬は、主治医が必要と判断して処方しているものです。自己判断で急にやめたり減らしたりせず、気になることがあれば主治医に相談してください。減量が適切な場合も、医師と相談しながら安全に進めます。
六本松こころのクリニックの院長は、精神保健指定医ですか?
はい。当院の院長(前田 輝)は精神保健指定医であり、日本専門医機構認定の精神科専門医です。ていねいに話を聴き、必要なときに必要なだけお薬を使う――多剤・漫然処方を避ける診療を大切にしています。診療内容やお薬について気になることは、遠慮なくご相談ください。

診療のこと、お薬のこと、遠慮なく

「この治療でいいのかな」という疑問も、相談材料です。
平日朝7時から、お仕事や学校の前に受診いただけます。

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六本松こころのクリニック(心療内科・精神科)
〒810-0045 福岡市中央区草香江2-1-5 AG六本松4F / 地下鉄七隈線「六本松」駅 徒歩2分
TEL 092-401-4556 / 平日 朝7時〜

主な参考文献(一次情報)

  1. 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定」(重点的な対応が求められる分野:精神医療/通院・在宅精神療法の見直し)
  2. 中央社会保険医療協議会(中医協)答申(令和8年2月13日)
  3. 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健指定医の指定・役割)

ご注意

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診療報酬の算定や治療方針を示すものではありません。診療報酬の点数・要件は、告示・通知や運用の見直しにより変わることがあり、最新の内容は厚生労働省の資料等をご確認ください。お薬の種類・量の変更や中止は、必ず主治医の指示のもとで行ってください。自己判断での中止・減量は症状の悪化を招くことがあります。診療やお薬について不安があるときは、主治医または医療機関にご相談ください。

六本松こころのクリニック
心療内科・精神科/院長 前田 輝(精神保健指定医・精神科専門医)
〒810-0045 福岡市中央区草香江2-1-5 AG六本松4F(地下鉄七隈線「六本松」駅 徒歩2分)
TEL 092-401-4556 / 診療:平日 朝7時〜
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